それは「オーディエンスの拍手喝采」。リアクションです。
よく動画で他の会社の新製品発表などの様子もみることがあります。パワポを使い、新商品そのものを手に掲げ、、みたいなあれです。
Jobsのそれと比べてプレゼンそのものの巧拙の差があったり、資料を棒読みしていて「感情が全くこもっていない感」満載だったりとか、プレゼン者の問題だな、というのがこれまでの感想だったのですが、そういえば、こういう発表会に参加している人(記者だったりジャーナリストだったりするのでしょうが)からの「拍手」というものが聴こえてきた試しがありません。実は、その差もプレゼンという「イベント」そのものに大きな差をもたらしているのではないかと思いました。
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一般の会社の新製品発表のプレスリリースとかにも「お客様のニーズを考えた」とかそういう言葉はよく踊っているのですが、なんか空々しい。「本当は自社の利益を考えているだけなんじゃないの?」などと思ってしまう。
しかし、Jobsのプレゼンでは、新商品、新技術をJobsがプレゼンするたびに拍手や歓声が起こる。Appleという会社として新しい価値を提案しているという誇りとともに、それを使うであろう消費者の喜びの気持ちもリアルタイムに伝わってくる。Appleイベントの動画をみていると、Jobsの笑顔とともにそれを聴いて喜んでいる聴衆の笑顔も両方同時にみることができます。
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当たり前の話なのですが、企業として経営を行う上で一番大事なのはP/L(損益計算書)の一番上に書かれている「売上高」です。なにはともあれ、これがないことには始まりません。
ではこの「売上高」とはなにか、というと、その会社の商品・サービスを購入した消費者が支払ったもの。
言い換えれば、企業が消費者のために提案した内容に関して、消費者がそれを「どれだけ支持したか」ということの証であるということです。
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なんか「何をいまさら」感なことを書いてしまいましたが、こんなことを思ったきっかけになったのは、昨晩テレビでやっていたドラマ「美丘」のワンシーンをふと見ていたことです。
大学での講義のシーンだったのですが、教授が「アドラー心理学」の話をしていました。
私は全くの不勉強で知識がなかったのですが、そのシーンの中で出てきた「共同体感覚」という概念の部分に、ちょっとビクッとしたのです。
(Wikipedia - アドラー心理学 より抜粋)共同体感覚が発達している人は、自分の利益のためだけに行動するのではなく、自分の行動がより大きな共同体のためにもなるように行動する。なぜなら、人間は社会という網の目の中に組み込まれている(Social Embeddedness)からである。それに対して、共同体感覚が未熟な人は、自分の行動の結末や影響を予測することをやめて、自分の利益だけしか目に入らないようにする。仮に、極端に自分の利益のことだけにしか関心がない人がいるとしたら、その人は自分の利益になる場合にだけ、他人と協力する/他人を利用しようとするだろうと想像される。そうすると、他人が自分を必要とする場合というのは、他人がその人自身の利益になる場合にだけということになり、安心して所属することが難しくなるだろう。このようにして、共同体感覚の未熟な人は、所属に問題を抱えやすく、不幸な人生を送ることになりやすいことになる。
興味をもったのでこれから入門書
なんでもAppleの話に強引に結びつけてみるのは悪いクセかもしれませんが(苦笑)、この話とJobsのキーノートでの聴衆の拍手喝采のことを考え合わせ、「人は他人を喜ばせるように努めることが自分の幸せにもなる、というのが行動すべき基本なのだなあ」「Jobsという個人であれAppleという法人であれ、そういうことをピュアに思っているんだろうなあ」と感じたのでした。
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コメント
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参考になりました^^
コメントありがとうございます。
まとまりのないエントリでしたが、汲み取って頂けて幸いです。