
この写真を拝借した元記事は林信行さんのMacBook Airの”レビュー記事”前編ですが、通常のレビューとは全く異なる視点で書かれており非常に興味深く読ませて頂きました。
(この”レビュー”が通常のレビューとは違うものになっている理由はご本人のブログnobilog2で語られています。)
「人を選ぶパソコン」と題された最初の部分が特に印象てきでした。少し引用させて頂きます。
MacBook Airは使い手を試す。もし(MacBook Airに)選ばれた人々は、マシンをひと目見ただけで「他人が言う評価はどうでもいい、自分はこれを買わなければ」と強く感じるはずだ。この究極にエレガントなマシンを持ち歩き、世の中に新しいライフスタイルを広めていく一員となることに強い意義を感じる――そういう人々は、自分の直感に従っていい。おそらくMacBook Airのパッケージを見た瞬間、ふたを開けた瞬間、その冷たいボディに手を触れた瞬間から感動が止まらないはずだ。
CPUの動作クロックやストレージ容量がどのくらいかなどという細かいことはすべて忘れて、やがて自分のすべてを詰めて持ち歩くことになる、この1枚の美しいPCとの邂逅(かいこう)を楽しんでほしい。
一方、このマシンを見て、HDD容量や光学式ドライブの有無が気になった人は、0.9キロの増量に目をつぶって弟分のMacBookを買ったほうが賢明だ。MacBook Airは、新時代の「粋(いき)な」コンピューティングを楽しむためのものだ。圧倒的な処理能力でソフトウェアを駆使し蓄積したさまざまな情報を活用する、コンピューティングの「粋(すい)」を楽しむためのものではない。
これは、本当にひがみでもなんでもないのですが、私は真っ先にCPUのクロックとストレージの容量に目が言ってしまったので、完全に「MacBook Air」に「選ばれなかった」者です。
「あと3mm厚くして160GBのHDDにしてくれたら買ったのに」とか恨み節っぽい記事も書いたりしましたし。
MacBook Airについてもやもやしていた気持ちがすっきりしたことと、そのもやもやしている気持ちをMacBook Airとはある意味真逆の「新MacBook Pro」に向けている今の自分の気持ちにすっかり整理がつきました。
今は160GBまでHDDを換装したMacBookを使っているのでそれでもある意味十分なのですが、MacBook Airを見せられてしきりに意識を始めたのがMacBook Proでした。
林さんの言葉を借りると「スペックを気にせず『CPUの動作クロックやストレージ容量がどのくらいかなどという細かいことはすべて忘れて』邂逅する」というのがMacBook Airだとしたら、じゃあその逆でスペックギンギンで行ってやろうじゃん、という気持ちになってきました。そうしないと、わたしのMacBook Airに対する「答え」がでない気がするのです。
もちろん銭金の問題もありますよ。わたしだって一般人ですから。でも大枚はたいても「MacBook Airに対する私の答え」をMacBook Proで出していこうと思っています。
そういう意味ですっきりしました。
林さんはMacBook Airを「禅」の世界にたとえられています。私はクロックをとグラボを追求します。
またHDDにすべてをつめこまないで「捨てる勇気」をもつことを林さんは説かれています。私は250GB以上のHDDへの換装をもくろんでいます。
この対極は、わかりやすくて非常にいいと思います。
この記事は私のもやもやを解消して頂けたということで非常に有用な記事になりました。
PS:日経主催のiPhoneの衝撃セミナーに去年参加して、林さんとは(遠目でしたけど)一度お目にかかりました(講演のトップバッターでした)
まあいろいろ日経から講演内容の指示があったのだとは思いますが、その講演は私の抱いていた林信行像ではありませんでした。でも最近の記事、特にこの記事についてはイメージ通りも林さんでありました。
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コメント
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dbacks51さん,どうもです.
私もこの記事を興味深く読ませてもらって,自分も「選ばれざる者」の方だなぁと思いました.
新しい使い方を提案しているというのは分かっても,自分の思い通りに使えてなんぼだと思ってます.
が...それでも欲しいのが困ったもんで,もやもやは増すばかりです.
林さんの記事は今も昔も楽しく読ませていただいてますが,昔の方がもうちょっと力が抜けている感じがして好きでした.
コメントありがとうございます。
まもなくアップされるであろう後編には
>しかし、中にはこのMacBook Airに魅了されつつも、はたして光学ドライブなしで、あるいはこのストレージ容量でやっていけるのか、と思い悩んでいる人もいるだろう。このレビューはそうした人々にこそ届けたい。
とあるのでここに期待ですね。
林さんは確かに以前は力が抜けていました。Blogの方ではその苦悩のようなものがかかれています。思うところがあるのでしょう。
>「あと3mm厚くして160GBのHDDにしてくれたら買ったのに」
私も全くその通り思いました。選ばれなかったのかも。でも心は揺れてます。iMacがUSBの普及を促進したように、Airが1.8"HDDのコストパフォーマンスを向上させてくれると思います。そしたら2年以内にはAirとDesktopという体制に移行したいなと。
同じ「選ばれなかった」もの同士、私と通じるものがありますね。
ただ、このMacBook Airが提示したものが正だとしたら、160GBモデルを出すよりもSSDモデルの価格改定の方が可能性としてはでかいと思います。
私はSSDで128MBになってそこそこリーズナブルな価格だったらそのときはAirに行こうと思っています。
紹介して頂いてありがとう御座いますです(笑)。
わたくしと同じくブッタ切りなことを求められている方が
おられるのだと知ると嬉しい限りで御座います(笑)。
そういう観点で評価するしかない機種ということでもあると思います。
本当に潔くシンプルなこととは何か。
MacBookとMacBook Airを2台使い分けることと、MacBook1台で済ますこと、どちらが潔いのでしょうか。
+.kだいひょうさん>
こんにちは。「ぶった切り」にはまられたわけですね。自分にぴったりというものに出会えるというのはいつでもうれしいものです。
j.a.tさん>
これは私も思うところです。林さんもそうですが、私にもこのマシンは2台目だと思います。2台目のMacが欲しい人の中で思いっきり割り切れる人がこのAirに行き着くのではないでしょうか。
Appleがこのモデルを「(フルサイズの)サブノート」と言い切ってくれればいいのだと思うのですが、基本的にMacBookファミリーが一つ増えたと言っています。
そこがいろいろ議論を呼ぶのでしょう。
「MacBook Air」だけ、もっといえば「MacBook Airだけでかつ外付けDVDも買ってない」という「超」潔い人の記事を読んでみたいですよね(笑)