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(画像はAppleより拝借。MacCollection Akiba)

アップル製品のネット販売が軒並み終了--「アップル社の意向」とヨドバシカメラ ーCnet Japan

アップルに限らない一般論として、メーカーが高いマージンを払ってでも量販店に商品を扱ってもらう目的は、商品展示をしっかり行い、販売員に商品をしっかり説明してもらうことで、自社商品の正しい露出を増やし、その結果として販売を拡大することだと思います。
もし量販店が、メーカーから高いマージンだけ受け取って、販売を(あまりコストのかからない)ネットに比重を増やされるとしたら、メーカーとしてはあまりおもしろくないでしょう。
ネットで売るんだったら、自社でやるよ、と考えても不思議ではありません。

メーカーにとっての理想は、量販店のマージンを中抜きにして、その分、自社の利益を増やすか、価格をさげて販売を拡大するかしたいところだと思います。(消費者としては後者を希望。ただ、私としては払わなくなったマージン分をコストに回して、より良い商品にしてもらうのもありがたいと思います)

ただ、この理想を実現するには、量販店との力関係を逆転させるほどの商品力の絶対的強さをもっていないといけないですし、自社販売網をしっかり構築しておくことも必要であると思います。


その点、今のApple商品には下記3つの状況があります。

1. 商品力が過去に例を見ないほど強力になっている点
2. 直営店Apple Store(リアル・ネットとも)の売り上げが順調に伸びている点
3. 地域別売り上げのうち、「日本」(日本におけるApple直営店の売り上げは除く)があまり伸びていない点

これらの要因を見ると、「ネット販売の制限」という強気の策に出たくなる気持ちは理解できます。
商品力の力関係的にみても今は非常にいいチャンスだと思いますし、もともと売り上げが伸びていない直営店以外の販売のうちのネット販売部分だけを制限しても被害はそんなにないでしょう。量販店には店頭でしっかり導入してもらう、という原点に返って欲しいと。

最初にも書きましたが、メーカーにとって、量販店にこうであって欲しい姿は、商品展示をしっかり行い、販売員に商品をしっかり説明してもらうことであり、そういう意図で、吉祥寺などの「Apple Premium Reseller」が整備されているんだと思います。

■■■

とはいえ。
今現在でもAppleは自社商品を量販店に卸すときのマージンは他の商品と比べてかなり低く、量販店に対する強さは持っているでしょうから、実際ここまでの措置をとらなくても良かったのではないか、とも思いますけど、、、

でも、ここまでしてやる、ということは、やはり中長期的な改革を目指しているんでしょうね。コンテンツを売るiTunes Store・App Storeと同じような感じに、ハードウェアを売るApple Storeも持っていきたいのでは?とさえ、思ってしまいます。究極の垂直統合ですね(生産を委託している以外)。



▼生き残ったオンライン販売?今後はここでの価格がどうなるのか目が離せません。

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コメント

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  • 団長動物
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お久しぶりです

Macはリアル店舗でしか買ったことがないので、正直、最初は関心がなかったのですが
よく考えると(考えなくても・笑)結構大きなニュースですよね。
今後もこの方針が徹底されるのか、そのうち変更されるのか、
ちょっと注目です。

……記事とは関係ないのですが、更新、およそ1カ月ぶりですね。
密かに「何かあったのかしら」と心配しておりました(笑)。
やっぱりdbacks51さんのブログはおもしろいです。

団長動物さん>

ご無沙汰です(というか、私が記事を書くのが久しぶりなんですよね(苦笑))

メーカー対流通、というのは永遠のテーマだと思います。そこに変化があるとすると、やはりメーカー側の商品力の変化であったり、販売側のセリングパワーの変化、ということが要因としてあると思います。

ブログを書かなかった(書けなかった)のは、特にこれといったきっかけはありません。ふと気を抜いているとこんなにブランクがあいていた、というのが正直なところです。
結構その間、読書に勤しんではいました。

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