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電子書籍に対するゴタゴタ


iPadの発表で、出版関係の方の悩みはいろいろと深くなっているようです。別の見方をすれば「従来の仕組みの変更に対する議論をさせるきっかけになった」という前向きな見方もできるわけですが、、

Apple iPadコンテンツは好機か損失か - New York Times、配信巡り社内闘争 (マイコミジャーナル)

日刊紙を発行する出版部門ではiPadコンテンツの課金を月額20~30ドル程度に設定することを想定しており、一方でオンライン部門は10ドル程度を想定しているといわれる。


ありそうな議論ではあります。売上が食われるとみるか、新しい市場が開拓されて売上が伸びるとみるか、、、その見方の違いが価格のあり方の戦略を変えてしまう、という。

ハード視点的にみると、製造コストという概念があります。紙の新聞は紙代・印刷代・運送費等がコストになりますが、電子新聞はそれがない。この視点だけでみると、ユーザーからすると電子化すると安くなって当然、と言う考えかたになります。ただアップルに30%の上前をはねられるので、安易には「電子化=安い」ということには繋がらないのかもしれません。
となると結局上の話に戻って、純マーケティング的にいくらの価格にすべきか、という議論になるんでしょうね。

■■■

Apple iPadをめぐる、雑誌出版社の2つの苦悩 - Financial Times (マイコミジャーナル)

問題はむしろコチラのほうが大きいのではないかと思いました。

「2つの苦悩」とは、

1冊売り切りが中心の書籍とは異なり、雑誌や新聞には継続的に出版を行って読者をつなぎとめる必要があるという違いが挙げられる。そのため定常的な読者との対話や、長期購読者には割引サービスなどが求められることになる。だがAppleが現在iBookstoreで提示している条件はiTunes Music Storeなどと同様で、1冊売り切り型の販売代行システムで、出版社には売上に応じた7:3の利益配分があるだけだ。(中略)
またAppleは、販売代行として売上シェアの配分のみを行う形態のため、出版社には読者プロフィールが一切入手できないという問題がある。これは出版社や新聞社が記事に読者の要求を反映できなくなるという危機感につながっている。

つまり、
・サブスクリプションに対する柔軟な価格システムがiTunes Store側にないということ
・購入者の属性情報など、雑誌を作っていく上で必要不可欠な情報をApple側が外にだそうとしないこと

In App Purchaseで、雑誌の次の号をアプリ内で買えるようにする仕組みこそ導入したAppleですが、継続的購入者に対する柔軟な価格体系の設定にはまだなっていませんね。このまま行くと、雑誌は気に入った号だけスタンドで買う、とか新聞も気になる記事が目に止まった時だけ駅売りで買う、というのと同じ購入体験になってしまいますね。

あと、やはり購入者の属性情報が得られないというのは、歴史ある新聞雑誌ならいざ知らず、新しく創刊しようとしているようなものにとっては非常に敷居が高くなりますね。どういう特集を組めば売れるか、というのがわからないと結構きつい気がします。

■■■

少なくともUSではiPadの発売と同時に始まるであろうiBook Storeですが、色々と問題山積ですね。
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