
第1世代 iPod nanoのバッテリー過熱問題についてアップルジャパンが回答を出しました。
経済産業省からの公表もあり、昨日あたり多くのTVのニュースで取り上げられたこともあり、それに追従する感じでの発表のように見えます。
この中に
弊社はこのような事故の報告を何件か受けており(すべて第1世代iPod nanoであり、0.001パーセント未満です)
というくだりがあります。
これ以前にも、MobileMeユーザーの「1%」がMobileMeメールにアクセス出来ない、という事例がありましたし、アメリカではiPhone 3GのAT&Tの3Gネットワークへのアクセス障害が「2%」あるという話があります。
このような一連の発表を見ていると、不具合をパーセンテージで公表するのがAppleのマイブームのような気さえします。
本来、不良率や歩留まりをパーセンテージで表現するのはメーカーが社内で使う指標だと思います(歩留まりは生産数管理・コスト管理にとって重要な指標ですし、不良率や返品率はアフターサービス費の見積もりに欠かせません)。
ただ、一旦市場に出したものについて、しかも消費者に対して、パーセンテージで告知するというのには違和感を覚えずにはいられません。
「お客様目線」というのがちゃんとあれば、その不良にあわれた方は「一人のユーザー」であり、自ずと公表するべきは○○人(○○件)であるべき、ということが分かろうものだと思うのですが(もし概数しか分からないにしても「○○件程度」とかの表現方法で)。
たくさん数が売れた商品でも、それは一人一人のお客様が商品を買ってくださった積み上げである、という「商売の基本的な部分」は忘れないでいて欲しいのです。
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コメント
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こんにちは♪
自分もdbacks51さん同様に、一般ユーザーに不具合を割合で説明する事に違和感を感じておりました。
かく言う自分は、昨年までメーカー勤務でしたが、不良率は あくまで原因を特定する際の情報の一つと考えていました。
ユーザーにとっても意味のない数字どころか、「だから気にするな! お宅の場合の特定環境下での不具合だから仕方無い! 」と云われている様で複雑な心境になりますよね(・・?)
ところで、MacBook ProのnVIDIAのGPUの不具合の故障率の発表も、Appleから有るとイイんですけどね(笑)。
こんばんは。
おっしゃる通り、不良率はあくまで会社の内部管理の為の指標だと思います。購入者にそういうことを言うのはいけないと思います。
また、数字のマジックというのもあると感じていて、0.001パーセント未満と言われると「限りなくゼロ」な感じがしますが、例えば100件、というと決して少ない数とは言えません。
宝くじはその逆で、億万長者○○人!とは言いますが、0.0001%とかは言いませんよね。買う気なくなりますから(笑)
nVIDIAの件は「他社のせい」だからあっさり言うんじゃないですかね?(笑)
アメリカ流なんでしょうね。たしかにそれは人数単位で表すべきだと感じました。
が、もうひとつ。
そこまでこだわるのはいいのですが、「お客様は神様」思考をしがちな部分も考えなければならないでしょう。自分の故障がiPod全体の欠陥とかAppleの信用問題とかいうのはやはり大仰でしょう。ほんとに数%のロスかもしれず、もちろんそれに当てはまった人にとっては大変な事ですが、それは当たってしまった不幸な人とAppleとも信頼構築作業を行えばよく、自分一人の不幸を回りにも押し付けるような所作はあってはならないことでしょうね。お金を出して買ったらなんでもとにかく責任取れではまさしくモンスタークレーマーそのものになるでしょうから。
全く持って同感です。
>それは当たってしまった不幸な人とAppleとも信頼構築作業を行えばよく、
「信頼構築作業」という言葉が大変魅力的です。ユーザーもメーカーもお互いに、節度と冷静さと相手の話を聴く度量の深さをもって接すれば、いい解決にもっていけますし、怪我の功名ではないですが、それでもっと深い信頼関係になることもあると思います。
数学的には同じ内容を表現していても,感覚的には(主観的には)率と件数ではニュアンスが違うということですね.
特に母数が大きいときには,率と件数では,随分と主観感覚は変わりますね.
そう思います。そこをうまく使い分けているのかな、と思います。