
(画像はTrendynetより拝借)
今回のKeynoteで一番印象に残ったのが、このJobsの満面の笑みです。本当に凄いうれしそうですね。ですが、この「笑み」が私に一抹の不安と大いなる疑問を投げかけています。
Time Capsuleという商品はTime Machine機能の拡張ということでLeopardの商品化からするとその流れに沿っていてすんなり理解できます。
またApple TVに関しても、第一弾の「失敗」を素直に認め(大会社ではなかなかできないことだと思います)、あえて「Take 2(映画の撮影とかでの「取り直し」、転じてApple TVの「出直し」という意味だと思います)」という表現を使って、Rentalモデルによる以前より安価な価格設定・主要な映画会社の賛同・HDコンテンツも含む高品質化・PCレスでの使用という使いやすさ、という以前の失敗をすべて学習したうえでの出直しは本当に評価に値するものだと思います。
ですが、このMacBook Air、これが一晩経ってもどうしても私には理解できません。
若旦那の独り言ver.Xさんのこの記事にも書かれているとおり、
・カテゴリが中途半端
・Appleの商品カテゴリのマトリクスを崩してまで出してくる製品とは言えない
という思いがあります。
「There's something in the air.」という言葉に始まり、Keynoteでも最後に紹介した商品ですから今回のEXPOの最大の目玉であることには疑いの余地はないと思います。これがJobsの今年のトレンドセッティングだとしたら、Appleはこの「Air」によって2008年にどういう展開をしてくるのか、全く読めなくなりました。
年初にラスベガスではWinter CESが開催され、「超薄型TV」のオンパレードでした。これはもともと薄型TVという商品が「本当に壁掛けテレビになれるために」ということで、消費者の関心も高く盛り上がっていました。いちおう「ライフスタイルの提案」はある。
但しこのMacBook Airは確かに薄いですが、「Appleの商品カテゴリのマトリクスを崩してまで出してくる製品とは言えない」と思いました。
私は今回のMacBookに賭けていましたが、Jobsのメッセージが理解できません。いったい彼はこの商品で何を伝えたかったのか私の理解力では理解できません。もっとじっくり考えてみる必要がありそうです。
Appleは全く新しい顧客体験の提案をする会社だと信じてやまないのですが、この商品にそれが見えない、「薄い」という技術力誇示だけが目的なの?というのが正直なところです。
・iPhone、iPod Touchなど昨年の商品にも「薄さ」がその商品の魅力の一翼をになったことは間違いありません。だから「信じられない薄さ」さえ訴求すればApple信者は全員間違いなく響いてくれて買ってくれるだろう、とかは考えていないですよね?これでは「完全に焼きが回った」感じです。
・MacBook Proを買わせるための策略(正直、Airと比較すると、MacBook Proが非常に魅力的に見えてきます、)
まさかこの2つではないと思うのですが、、
というわけで今回Macbook AirのBuy Nowは見送ります。
じゃあ勢いでMacBook Proを買おうかな、と一瞬思ったのですが、今回「Air」で投入してきた「マルチタッチトラックパッド」が早々にMacBook Proにも入ることはほぼ間違いはないでしょう。
ならばそれまで待つべきなのは言うまでもありません。
Jobsのこの満面の笑みとは裏腹に、私はしばらく悶々とした日が続きそうです。
「Something」って一体なんでしょうか、、、
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コメント
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わたくしもそうですが「自身が望んでいないモノや展開」というのは
そうそう簡単に受け入れられないと思うのですよ。
そして、この記事を読ませて頂いて「おおぉぉっっ!!わたくしと似た様な
方向性で考えられている方がおられるのだ」と驚きましたよ(笑)。
先日わたくしは手持ちのalneoで録音を録って自身で聞き返してみて
「自分が何を訴えたいのか」を客観的に見てみることで何とも奇妙な
記事が出来上がってしまいました(汗&笑)。
多くの場所でdback51さんやわたくしと同じ様な「納得行かない」
「今後の展開に不安を感じた」と思われる方々がおられると思います。
ハッキリ言ってしまうと「割り切って見守るしかない」というのが現時点での
わたくしの意見です(笑)。
しかし、いつ読んでもいい視点で記事を書かれておられる(感心感心)。
いやぁ、サブノートがなければ、「何故ないのだ?」「だすべきだ」という声が大きく聞こえてくるし、
出せば出したで、「売れない」だの「中途半端」だの、否定的な声がたくさん聞こえてきますね。
賛同すれば信仰者と見られるし、文書を書くからにはどうしても批判的な姿勢を忘れてはいけないというスタンスがもたげてくるし・・・ 消費者・批評家の声は、扱いが難しいですね。
その昔あったNewtonも、非常に良かったという声と、売り上げ実績に結びつかないという事実があったり。
Sonyのベータマックスではないですけど、機能・性能の善し悪しと、評価と、売り上げ実績は、必ずしも連動するものではないな、と改めて思った次第。
結局は、人に意見に惑わされずに判断しましょう、ってことですよね。
はじめまして。いつも楽しく拝見させて頂いております。
さて、'Air'の件ですけどw
あれは「新しいカテゴリ」と捉えて良いのではないでしょうか?つまり、iMacが初めて出て来た時と同じことが今起こっているということです。あの時、AppleがUSBやFirewireを採用し、SCSIやADBポートやフロッピーディスクドライブを排して、皆を驚かせました。その反応は「いいのかそれで?」という感情的な反論が大勢だったかと思います。しかし、それから10年後の現在、今ではごくありふれた常識のポート構成となっています。今回のMacBookAirは、改めてポート類を再構成しただけ(実際それをすることは大英断ですが)だと思いました。ジョブズもキーノートの中で「これはワイアレス時代のワイアレスコンピュータだ」と言ってますし。なにより、今回発表された4つの項目は全てワイアレス関連です。ユビキタスの実現が予見されて久しいですが、実際にはなかなか実現されません。ですが、私にとって今回のAirは、「やっとすっきりとした形でユビキタスの一つの解を示してもらった」と感じております。つまり、ジョブズが示したMacBook ProとMacBookの間の「新しいノートのカテゴリ」であるという答えが私の理解です。
どうでしょうね?
初めてコメントさせていただきます。
pomさんに概ね同意でして、ジョブスの笑みは「モノ」ではなくて、ワイヤレスの環境または仕組みに対してではないかと解釈してますが。
個人的にはRemote Diskって実は凄いんじゃないかと。
MacBookAir は、私には、ちょうどぴったり、求めていた仕様です。
モバイル中、速度や拡張性はいらないけど、入力や画面の広さや、
使い勝手(フルの OS Xであること)は妥協したくないので。
でも、一般には中途半端と受け取られるのだろうな、とは思います。
売ってくれているうちに買わなくちゃ。
みなさまへ>
他のブログ様とかも拝見させてもらっていますが、みごとに意見が真っ二つに分かれているようですね。
ぴったりニーズに合っている方と合わないかたも。
わたしはたまたま後者で、その個人的感情を前面にだして「わからねー!」と叫んでいますね、冷静に自分の記事を読み直してみると。(笑)
まあ自分の感情を正直にさらけ出しているので、自分のブログらしいかな、と。
コメント頂いている中で、私は「モバイル環境」「ユビキタスの体現」の部分は興味深いものを感じさせて頂きました。「薄い、薄い」と表面上は言って世の中を煽っておいて、本当は別の世界観が裏にあるかもしれません。
「その1」の頃から拝見させていただいていました。「モノが好き」の復活を遅まきながらお祝い申し上げます。
さて、昨日この記事を読ませていただき、何かしっくり来なかったのですが、きょう風呂に入りながら考えていたら something, anything, -> everything? と思えてきました。そしてコメントを読んでいたら、私の感じたことを pom さんが書かれていました。
このところ Apple はノート型でもオールインワンは譲らなかったのに、今回光学ディスクドライブをなくして Remote Disc という方法が提案されました。これは iMac の時も思い出しますが、初代 Mac ではマウスが標準でキーボードがオプションだった(よね、確か)ということも思い出します。そういう提案なんだと思います。
というわけで、私は2台目マシンとして「買い」に一票。気持ちの整理はできたので、あとはお金の工面をどうするか...(笑)
むさん>(お金の工面ができた前提で)おめでとうございます。わたしは気持ちの整理がついた上で今回は見送ります。人と商品はほんと一期一会のようでもあります。すてきな出会いができたらいいですね。その際は教えてください。