
アップルとグーグル 日本に迫るネット革命の覇者
読了しました。この本はAppleウォッチャーで有名な林信行さんと、株式会社モディファイCEOの小川浩さんの共著となっています。
小川さんのブログは「Speed Feed」、林信行さんのブログは「nobilog2」です。ご参考までに。
なお、本書は3つの章で成り立っています。
1.アップルとグーグルの共通項
2.アップルとグーグルの共通でないところ(戦略とビジネスモデル)
3.アップルとグーグルが今後デジタルライフスタイルにもたらす変化とその際のそれぞれの役割(季節柄、iPhoneとAndroidを中心にしたモバイルの話題が多いですが、書かれている本質はケータイにはとどまらずデジタルライフスタイル全般です)
ざっくりこんな構成です。「おわりに」で書いてありましたが、林信行さんが書いたのは第1章のみだそうで、そうなると2,3章目は小川さんが書かれたと言うことになります。
■■■
両社の共通項は、一言で言うと「どちらも因習や常識に囚われず世界を変革し続けている」点。
また両社の違いは(成り立ちがアップルはインターネット以前から存在する会社、グーグルがインターネット以降に出来た会社という時期的背景も大きいですが)アップルが有料モデル、グーグルが無料モデルという部分。
水道の例えでありましたが、水道そのものがグーグルなら、アップルは蛇口の部分であるとも。
この「理念は一緒ながら役割が違う」というのを両社がちゃんと理解しているからこそ、この両社の連携は非常に意味のあるものになっているということです。
正直言うと、ここまでは私も普段いろいろブログやニュースなどで勉強させてもらっている範囲内ですでに分かっていることが多かったですね。ただ体系的に書かれているという点で頭の整理にはなりました。
この本を手に取ったとき一番興味のあったのはもちろん第3章です。この2社の協力関係においてデジタルライフスタイルはどのように変わっていくのか、という部分です。
いくつかの妄想(でも妄想とも言い切れない)が挙げられていましたが、これらが実現されていけばさぞかし明るい未来だろうなあ、と思いました。
iPhone OSとAndroidは競合では?という部分については、こういう緊張感は必要、ただ、一番大事なブラウザの部分でWebKitで繋がっているので問題ない、という書き方をされていました。
なかなか、痛快な本です。
ただ、(Amazon.co.jpにも引用してあるのですが)
というのが第3章に書かれていて、「一日本人」として読むとなかなか耳の痛い部分もあります。
PS;先日読んだ「Appleの法則」もそうだったのですが、林信行さんの文章が最近かなり平坦なものになってきたのが気がかりです。最近増えた「新規Appleファン」を明確に意識して平易にものを書いているという意志があるのならいいのですが、私個人的には心配しています。Appleの歴史紹介・商品紹介はいいのですが、ジャーナリストとしてのもっと洞察力に富んだ独自の視点が欲しいと思います。
両社の共通項は、一言で言うと「どちらも因習や常識に囚われず世界を変革し続けている」点。
また両社の違いは(成り立ちがアップルはインターネット以前から存在する会社、グーグルがインターネット以降に出来た会社という時期的背景も大きいですが)アップルが有料モデル、グーグルが無料モデルという部分。
水道の例えでありましたが、水道そのものがグーグルなら、アップルは蛇口の部分であるとも。
この「理念は一緒ながら役割が違う」というのを両社がちゃんと理解しているからこそ、この両社の連携は非常に意味のあるものになっているということです。
正直言うと、ここまでは私も普段いろいろブログやニュースなどで勉強させてもらっている範囲内ですでに分かっていることが多かったですね。ただ体系的に書かれているという点で頭の整理にはなりました。
この本を手に取ったとき一番興味のあったのはもちろん第3章です。この2社の協力関係においてデジタルライフスタイルはどのように変わっていくのか、という部分です。
いくつかの妄想(でも妄想とも言い切れない)が挙げられていましたが、これらが実現されていけばさぞかし明るい未来だろうなあ、と思いました。
iPhone OSとAndroidは競合では?という部分については、こういう緊張感は必要、ただ、一番大事なブラウザの部分でWebKitで繋がっているので問題ない、という書き方をされていました。
なかなか、痛快な本です。
ただ、(Amazon.co.jpにも引用してあるのですが)
アップルとグーグルがもたらす変化は、日本におけるさまざまな事業領域に影響をもたらすだろう。それは必ずしもいいことばかりではなく、多くの産業が破壊的なダメージを受けることになるかもしれない。(中略) しかし、彼らはまぎれもなく新しいデジタルライフスタイルと、その上で花開く新しいビジネスへの黒船である。彼らによって起きるだろう変化の波に、積極的に乗っていくほかはない。問題なのは、開国以来すでに150年近く経ちながら、なぜいまだに黒船ショックに甘んじなければならないかという根本的な疑問である。
というのが第3章に書かれていて、「一日本人」として読むとなかなか耳の痛い部分もあります。
PS;先日読んだ「Appleの法則」もそうだったのですが、林信行さんの文章が最近かなり平坦なものになってきたのが気がかりです。最近増えた「新規Appleファン」を明確に意識して平易にものを書いているという意志があるのならいいのですが、私個人的には心配しています。Appleの歴史紹介・商品紹介はいいのですが、ジャーナリストとしてのもっと洞察力に富んだ独自の視点が欲しいと思います。
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コメント
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探してみますよ(笑)。
実は先日モノさんがこの本を紹介しておられた際に
本屋で探したのですが見つからなかったのです(汗)...
林さんの以前の文章があまり記憶に残っていないのか
ただ単に知らないのかいつ頃の林さんの文章がお薦めなのでしょう??
あと、いつ頃から現在の文体に変化したのでしょうかね??
教えて頂けたら幸いなのです(笑)。
最後に”「一日本人」として読むとなかなか耳の痛い部分もあります。”と書かれたいた部分にも引っかかると思われるのですが
>しかし、彼らはまぎれもなく新しいデジタルライフスタイルと、その上で花開く新しいビジネスへの黒船である。彼らによって起きるだろう変化の波に、積極的に乗っていくほかはない。問題なのは、開国以来すでに150年近く経ちながら、なぜいまだに黒船ショックに甘んじなければならないかという根本的な疑問である。
の文面は日本人が近代文化になって以降引きづり続けている
心理面が現れています。まず既に著者が心理面で囚われている
部分が
「(彼らによって起きるだろう変化の波に)積極的に乗っていくほかはない。」
「いまだに黒船ショックに甘んじなければならないか」
あくまで私見ですがこの抜粋から読み解けるのは
この二点にあると考えます。
「積極的に乗っていくほかはない。」
↓
「自ら創り出す必要はない」「自ら創り出せない」
という深層心理のリミッターがかかっている。
「いまだに黒船ショックに甘んじなければならないか」
↓
深層心理でリミッターをかけているにも関わらず
現状に不満を持っている
↓
ストレスになって行く
↓
行動が出来なくなる
というスパイラルが起こる可能性があります。
これが現代の日本人に多く見受けられるパターンです。
わたくしも無意識によくハマってしまっています(冷汗)。
わたくしのお師匠さんはこのあたりを多くの人々に
伝えて行こうと行動されているのです。
そして、わたくしも見事にお師匠さんに一本釣りされました(爆)。
本当にモノさんはいつもいい視点で書かれていらっしゃる(感心感心)。
いつもコメントありがとうございます。
林信行さんの書かれている文章で私が気に入っているのは、
http://www.microsoft.com/japan/mac/column/contents/contents.mspx
MactopiaのApple's Eyeが特に印象に残っています。1999年から書かれているようで、結構長く続いていますね。
あとは、ご自身のブログ「nobilog2」で書かれている記事の中の特に自分の思いを吐露されている内容の時。なかなか読み応えがあります。
どちらにも共通して言えるのは、文章の書き方に変化はあれど、文章の中に「個人の強い思い入れがほとばしっていた」感じがするのです、今よりは。
MacのエバンジェリストとしてWindowsの人をぐいぐいと引きつけている感じがしていました。
nobilog2の2月14日の記事が興味深いです。
http://nobi.cocolog-nifty.com/nobilog2/2008/02/post_0347.html
これはこれですばらしい記事なのですが、なにか閉塞感というか矛盾感というか、そういうものを吐露されています。
その前後の記事からも推察出来るのですが、時間的にかなりお忙しいようでその影響もあるのかなーと心配しております。
後半の内容はおっしゃる通りです。
本当はこの文章にも前後関係があるのですが、私が書評っぽいことをするのに慣れていないせいもあって、どこまで引用していいか?が全く分からない問題もあります(汗。上記の引用はAmazonでもされていたので「いいんだろうなあ」という判断です)
いずれにしましても、だいひょうさんのこの鋭い深層心理分析はたいしたものです。まさにその通りです。勝手に自らリミッターをかけているくせに、自らそのリミットに不満を感じている。まさにそれですね。
第三者的に冷静に考えると、それは滑稽ですが、当事者はそれに気付かずよく陥りがちですね。
だいひょうさん、そっち方面のブログも書かれませんか?
私愛読者になります!(笑)